2014年12月3日:第30回国際生物学賞記念シンポジウムに参加しました

2014年12月2日(火)の第30回国際生物学賞記念シンポジウムに参加し,受賞者のピーター・クレイン博士(米イェール大学)らと交流を深めました.

 

第30回国際生物学賞記念シンポジウム「生物の分類学と進化学の新展開」が,12月2日(火)に日本学士院で開かれ,安藤教授が参加しました

このシンポジウムは,学術誌論文(A12,13,15)の共著者である,ピーター・クレイン博士 (Peter R. Crane, 米イェール大学) が2014(平成26)年度の第30回国際生物学賞を受賞されたことを記念するもので,クレイン博士をはじめ,授賞分野の「系統・分類を中心とする生物学」の著名な海外研究者が講演を行いました.

クレイン博士は「古植物学的データと被子植物の起源」と題する特別講義を行い,白亜紀前期に出現した被子(顕花)植物の進化学的意義を解説し,モンゴル陸成白亜系の植物化石試料を用いた被子植物の初期進化についての最新の研究成果も紹介されました.

また,クレイン博士の共同研究者である,Patrick S.Herendeen博士 (シカゴ植物園),Kaj Raunsgaard Pedersen博士 (Aarhus大学,デンマーク),Else Marie Friis博士 (スウェーデン自然史博物館) も講演を行い,白亜紀の被子植物化石研究の最前線が紹介されました.これらの研究者は,新潟大学の高橋正道教授をリーダーとする,モンゴル白亜系植物化石プロジェクトにも参加しており,日本の白亜系の植物化石研究にも携わっています.

白亜紀後期の地層である双葉層群における,日本最古で初の被子植物炭化化石の発見(学術誌論文:A12,13)に端を発した古植物研究が,国際生物学賞へと大きく花開いたことになります.16年前に福島県いわき市や広野町で安藤教授と新潟大学の高橋教授が行った地質調査・化石採集調査の際に見いだした炭化植物化石が,被子植物進化史の解明や展開に大きな役割を果たしたことを意味します.クレイン博士の受賞を寿ぐとともに,その場に共同研究者として居合わせることができ大変光栄に感じています.

シンポジウム後のレセプションでは,多くの古植物学者たちとの交流を深め,今後の研究の進展について語り合いました.

 

日本学士院(上野)講堂での第30回国際生物学賞記念シンポジウム

 

特別講義をされるピーター・クレイン博士(Peter R. Crane)

 

レセプションでの記念撮影.左からピーター・クレイン博士,高輝度光化学研究センター 八木直人氏,安藤教授,新潟大学理学部 高橋正道教授

 

世界の主要な古植物研究者との記念撮影

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