2018年12月31日:IGCP (地質科学国際研究計画) 608の6年間の活動が終了

2013年3月よりスタートしたIGCP (地質科学国際研究計画) 608は,当初の2013-2017年の5年間と延長期間(OET: On Extended Term)である2018年の,合わせて6年間にわたる活動を滞りなく終了しました.

その活動や成果はIGCP608の英語Websiteに詳しく紹介されています.

http://igcp608.sci.ibaraki.ac.jp/

 

IGCPの活動は,毎年末にUNESCO-IGCP本部に年次報告書を提出することになっており,最終年度の2018年も,国内メンバーや各国の地域リーダー・メンバーから寄せられた情報をまとめ,2018年の活動内容をまとめた報告書が,11月30日に提出されました.

IGCP608ホームページのANNUAL REPORTSページには, 2018年の主な活動と成果が掲載されています.2018年の年次報告書の一部として,IGCP608のメンバーが2018年に出版した新規論文の国別リストがBIBLIOGRPHYページに掲載されています.

 

毎年1回,各国持ち回りで行った国際研究集会(シンポジウムと地質巡検)の様子は,MEETINGSに簡単な報告がされ, 講演要旨集や巡検案内書もダウンロードできるようになっています.

 

2013年12月20-27日 インド ラクナウ バーバルサーニー古植物学研究所

2014年9月4-10日 日本 東京 早稲田大学大隈講堂

2015年8月16-20日 中国 瀋陽 瀋陽師範大学・遼寧古生物博物館

2016年8月15-20日 ロシア ノボシビルスク Trofimuk石油地質地球物理学研究所

2017年10月22-28日 韓国 済州市(島) 済州国際コンベンションセンター

2018年11月11-17日 タイ コンケーン市 チャルン タニ ホテル

各回の予告や報告記事については,日本地質学会Newsや日本古生物学会和文誌「化石」に和文で発表されており,IGCP608の和文ページでリンクを確認することができます.また,各研究集会で撮影された写真はPHOTOSページに多数掲載されています.特に,IGCP608のホームページのトップにあるスライドショーは,Flash規格で掲載されており,最初の6枚がタイでに行われた第6回国際集会(2018年11月)の写真で,それに続き,第5回(2017年韓国)から第1回(2013年インド)の各2枚が続き,最初に戻ります.いずれの写真にも撮影日がどこかに入っています.

 

10月15日 IGCP608の後継プロジェクトのIGCP本部への新規提案

 

 IGCP608は,プロジェクトとして2018年の末で活動を終えますが,11月の国際研究集会の前にIGCPプロジェクトの新規提案締切(10月15日)が設定されていました.そのため,事前に中国,南京地質古生物研究所の李罡(Gang Li)教授を中心に,4名の副リーダー(長谷川卓氏 (金沢大), Prof. Daekyo Cheong (鄭 大教:韓国), Dr. Petr Schnabl (Czech), Dr. Vandana Prasad (India))らが,e-メールの交換で提案書が作成され,期限内に新規後継プロジェクトが申請されました.

 提案の内容は,2018年11月16日の第6回国際シンポジウムの閉会セッションで,概要が紹介されました.

 

   次期プロジェクトタイトル:Linkage of Cretaceous solid earth dynamics, greenhouse climate, and response of ecosystems on lands and in the oceans in Asia

   ショートタイトル:Linkage of Cretaceous earth dynamics and climate in Asia

   提案者:

   Primary leader: Prof. Gang Li (李 罡 教授), Nanjing Institute of Geology and Palaeontology, Chinese Academy of Sciences, PR China.

   Co-leaders:

    Takashi Hasegawa (長谷川卓 教授:金沢大)

    Prof. Daekyo, Cheong (鄭 大教 教授:韓国)

    Dr. Petr Schnabl, Czech Republic

    Scientist F Vandana PRASAD, INDIA

   Project Secretary: Assist. Prof. Xin Li, PR China.

   日本の地域リーダー(Regional Coordinator): Tohru Ohta (太田 享 准教授:早大教育)

 

IGCP608の本年度の活動をまとめた年次報告書の評価と,後継プロジェクトの新規提案に対する採否は,IGCP科学審査委員会のGlobal Change 分科会の10名の委員によって審査され,2019年2月18-20日のIGCP評議会で決定されます.実際の結果連絡は3月中旬と予想されます.その際には本年のIGCP608の年度報告書に対する評価書も通知されます.

新規プロジェクトは,アジアの白亜系における高解像度の地質記録抽出に重点を置いて,白亜紀の気候・地理・環境復元を目指し,そして,地質イベントと気候・環境変動との関連を明らかにすることを主な目的としており,採択されれば,引き続いて,アジア各国を開催地とした集会を行うことになっています.新たなプロジェクトの採択によって,アジアの地質学・古生物学がさらに進展し,各国の研究者間の研究交流が深化することが,大いに期待されます.

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