2021年6月13日:北茨城市で理学部地球環境科学/学際理学コース1年生の第1回野外観察会(地質巡検)を実施

毎年5月中旬に開催している大学入門ゼミ「地球環境の学び方」前半のフィールド・ジオロジー入門の現地授業(野外観察会)は,5月の全学の緊急事態措置を受けて,6月13日(日)に延期となりましたが,天気に恵まれ実施することができました. バス2台に分乗して,茨城大学から常磐道を通って,北茨城市五浦海岸〜長浜海岸〜九ノ崎海岸,北茨城市中郷の十石堀と,茨城県北の地質の見所を見学して回りました.往路の車中でも車窓からみえる風景から地形や地質の特徴を垣間見ました. 五浦半島では,大五浦,五浦美術文化研究所の天心記念館(写真1),六角堂(写真2),小五浦(写真3,4)と,新第三紀中新世(1800-1000万年前)の地層(多賀層群高久層や大津層)を見学しました.特に六角堂の前にある岩礁群が,地質時代(1650万年前)のメタンガス(大規模天然ガス)湧出による大規模な炭酸塩コンクリーションであるという安藤教授らの論文の成果が紹介されました.
昼食は,長浜海岸のコンクリート護岸で,クラス全員で一列に並んで,太平洋を見ながら食べました.午後は長浜海岸でクリノメーターによる走向傾斜の測定実習と,岩相観察による地質柱状図作成に取り組みました.さらに九ノ崎では,六角堂にも露出する多賀層群高久層に含まれる球状ノジュールに貝化石が含まれている様子を観察しました.
最後は,北茨城市中郷の十石堀で白水(しらみず)層群石城(いわき)層)の石炭層を間近で観察しました.
案内者として安藤寿男教授と小荒井衛教授が, TAとして博士前期課程2年の大森君と1年の小柴くんが参加しました.

 


写真1 茨城大学五浦美術文化研究所の天心記念館に展示された炭酸塩コンクリーション


写真2 炭酸塩コンクリーションの岩礁を基盤とする六角堂


写真3 小五浦北岸のコンクリート保護壁や人工岩礁に守られた六角堂


写真4 小五浦の入り江で多賀層群中の不整合と凝灰岩を見学


写真5 長浜海岸での太平洋を見ながらの昼食


写真6 中郷十石堀での白水層群石城層の石炭露頭

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