2014年9月4-6日:IGCP608第2回国際研究集会(早稲田大・大隈講堂)成功裏に終了

2014年9月4日(木)-6日(土)に,安藤教授がリーダーを務めるIGCP(地質科学国際研究計画)608の,第2回国際研究集会「白亜紀のアジア−西太平洋地域の生態系システムと環境変動」が盛大にして成功裏に閉幕しました.

その模様はIGCP608のホームページで紹介されています.

また,日本地質学会ニュース化石(日本古生物学会和文誌)にも報告記事として紹介されています.

 

参加者

この集会には,海外39名,国内53名の計92名の登録参加者があり,実行委員会のスタッフを合わせると約110名を超える盛況でした.参加者は日本を含め13か国におよび,女性22名,学生22名を数えました. 海外からは,中国1名,韓国5名,インド10名,フィリピン4名,マレーシア1名,ミャンマー2名,モンゴル6名,パキスタン1名,ロシア6名,フランス1名,イギリス1名,カナダ1名でした.第1回集会の開催国インドからは10人に及びました.

 

シンポジウム

国の重要文化財 (建造物) に指定されている大隈講堂の1階にある小講堂で行われた3日間のシンポジウムでは,初日の開会セッションの後,以下の6つのセッションで44件の口頭発表がなされ活発な議論が行われました.

 

(1)開会セッション

初日の9月4日(木)午前の開会セッションは,井龍康文 日本地質学会会長の歓迎挨拶のあと,IGCP608リーダーの安藤教授がIGCP608の活動と今回のシンポジウムの意義を紹介する開会挨拶を行いました.元九州大学教授の岡田博有先生が東アジアの白亜系をテーマとするIGCP350(1993-1998)を始められて以来20年におよぶ,東アジア白亜系IGCPの歴史(IGCP350-434-507-608)を示した後,本年5月に急逝されたIGCP608第2回国際研究集会実行委員会副委員長の平野弘道早大教授(IGCP434リーダー:1999-2004)に黙祷を捧げました.開会セッションの基調講演では,James Haggart (カナダ地質調査所)氏が「北米太平洋岩域の白亜系の化石層序・古環境・テクトニクス:環北太平洋域の統合対比に向けて」と題する,氏の研究を総括する講演がありました.

 

(2)口頭セッション

1) 海洋無酸素事変諸現象:アジア−西太平洋域地層記録からの貢献(9件)

2) 生物相進化:アジア−西太平洋域の動物相・植物相(微小動物相:10件)

3アジアの白亜系ジオパーク(3件)

4) 陸−海リンケージ:対比・堆積・古環境(10件)

5) テクトニクスと古環境:アジア−西太平洋域(4件)

6) 生物相進化:アジア−西太平洋域の動物相・植物相(大型動物相:8件)

 

海洋無酸素事変(OAE)のセッションでは,北海道蝦夷層群の白亜系を中心に海洋無酸素事変の先駆的研究をされた早稲田大学教授 故平野弘道先生の追悼の意義を込めて,最新の研究成果が披瀝されました.フランス,北米西海岸,中東ペルシャ湾域,ニュージーランドでのケーススタディも紹介され,日本の研究者を中心に,全球的な視点からOAE研究が取り組まれている様子がわかる先進的なセッションでした.

アジアの白亜系ジオパークは口頭3件,ポスター5件と小規模でしたが,日・韓・加の最新の活動紹介があり,IGCP608のメンバーが活躍する様子がわかる臨場感のあるセッションでした.特に,Haggart氏が紹介したカナダのTumbler Ridge Aspiring Geoparkは本シンポジウム直後の2014年9月19-22日に開かれた第6回世界ジオパーク会議で世界ジオパークとして承認されています.また,高木秀雄氏の講演では,UNESCOのプログラムであるIGCPとGeoparksがIGGP (International Geosciences and Geoparks Programme)として統一されることになったという最新情報も披瀝されました.

 

(3)ポスターセッション

以下の3つのセッションで計37件の発表があり,2日目と3日目の13:00~14:00に各1時間のコアタイムを中心として討論が行われました.

1)陸−海リンケージ:対比・堆積・古環境(16件)

2)生物相進化:アジア−西太平洋域の動物相・植物相(16件)

3)アジアの白亜系ジオパーク(5件)

ポスター・セッションでは,廊下やロビーに配置されたボード前で熱心な討議がされましたが,日・韓で計16名もの大学院学生の発表がなされました.

 

歓迎パーティ

シンポジウム初日(9/4)には,キャンパス内にあるリーガロイヤルホテル東京で,盛大な歓迎パーティーが行われました.和やかな雰囲気の中で交流を深める場となりました.早稲田大学のダンスサークルによる力強い迫真の踊りも披露されました.

 

送別パーティ

シンポジウム最終日(9/6)には,学内の大会議室で送別パーティーが行われました.ここでも,早稲田大学の学生サークルによる余興と室内楽による美しい演奏があり、外国からの参加者だけでなく,皆が魅了されました.最後には早稲田大学の現役・OBによる校歌もあり,指揮とエールもありました.

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