研究概要

研究分野

地層学・堆積学・古生物学

研究のテーマ

地層や化石から読みとる過去の地球環境やその変遷,および生物や生態系の進化についての研究

地層は地球の歴史を探る大きな手がかりです.陸上での露頭(崖や岩盤)観察や,地下・湖底・海底の掘削調査の成果を基に,堆積物とその成因・形成過程,含まれる化石の種類や成因などを調べることにより,ある地域の堆積環境や古環境,そして堆積史や地史を復元する研究を行っています.そして広くは過去の地球環境やその変遷の一端を解き明かすことを目指しています.

一方,化石は地層の中に奇跡的に残された地質時代の生物の遺骸や痕跡です.地質学や堆積学を基礎にして,化石や化石層の形成過程を研究する「タフォノミー」を通して,化石が持つ地質学的・古生態学的情報を解明します.分類群としては,沢山の化石が産する中生代以降の軟体動物(特に二枚貝やアンモナイトなど)を主な研究対象としています.そして,その化石群の形態解析に基づく系統分類や古生態復元,化石群集解析による群集生態やその変遷を研究しています.さらに,地球環境と生態系との相互作用や生物進化にも考察を進めています.

地層に刻まれた過去の地球環境の記録や,未知の生物の生態や進化について解明する研究に挑戦する学生・院生大歓迎!

現在進めている研究プロジェクト

国際共同研究

  1. 白亜紀中期における陸域湿潤化:温室地球システム解明に向けたモンゴル白亜系調査
  2. 北米東海岸ニュージャージー沖大陸棚下の新生界のシーケンス層序と始新世~中新世の海水準変動

堆積学

  1. 東北日本の蝦夷前弧堆積盆における白亜系-古第三系のシーケンス層序学と堆積盆解析
  2. 茨城県北部~福島県南部の常磐堆積盆における新生界の堆積相・シーケンス層序・化石相
  3. 茨城県中南部の常陸台地における第四系の堆積相・シーケンス層序・化石相

古生物学

  1. 現世および化石カキ礁の形成過程から解明する古環境と,汽水生二枚貝カキ類の中生代後期以降の進化と古生態変遷
  2. 中生代軟体動物化石(二枚貝やアンモナイト)の系統分類と古生態
  3. 霞ヶ浦沿岸花室川流域の旧石器時代の哺乳類化石群集の起源(共同研究)
  4. 茨城県北部の棚倉堆積盆における新第三紀中新世の哺乳類化石群(共同研究)

地域地質・層序

  1. 茨城県北地域の層序と地質-茨城の大地の成り立ち

研究の視点

  1. 異なる地域・時代の浅海層から堆積環境・堆積過程・堆積様式・堆積サイクルを見いだす.
  2. 化石層の形成過程(タフォノミー)と堆積サイクルとの関係を探る.
  3. 化石の形態進化・古生態を高解像度で復元する.

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